むし歯治療の今昔

削らないむし歯治療と言われて

皆さんは何を思い浮かびますか?

魔法の薬が存在する?おまじないをかける?歯の代わりの何かすごい物を口の中に植える?

残念ながらむし歯は生活習慣病であり、お口の中に普段からいる菌が引き起こす現象なので、特効薬がないです。

そこがむし歯治療の厄介なところです。勿論削る治療は必要ですが、その事がむし歯にならなくする方法では決してないのです…

ではう蝕(むし歯)の治療は今も昔も削る事だけなのでしょうか?

 

人類が誕生後の原始的な食生活の頃はむし歯は稀な疾患でした。

約1万年前、狩猟採集生活から農耕生活への移行で、穀物の摂取が始まるとむし歯はわずかに増加します。

1850年代になり、産業革命により砂糖・精製小麦粉の普及と共に世界中でむし歯が大流行しました。その頃の治療は主に

抜歯 でした。抜歯をする事で感染が顎骨内に進行するのを防いだのです。当時はそれが最善の治療でした。

 

いわゆる削る治療が始まったのはたった100年程前なんです!

当時は削る事で歯を残せたと画期的!

抜歯しか選択肢のなかった時代に比べ十分保存的な治療方法だったのです。

それでも当時の治療方法を考案したアメリカの歯科医師(G.V.ブラック)は

科学技術の進歩と共に歯科医師はより歯を削らなくて済むように努力するべきであると述べていたそうです!

 

では、100年経った現代はどうでしょう?

残念ながら日本では未だに    治療=削る事   と感じている方が多いと思います。

削らない治療これが世界基準です.

どんな治療でしょうか?

患者さんに正しい知識を伝える事、患者さんの行動を変える事、原因を追究し予防的アプローチをする事、経過観察の後必要であれば最小限に治療をする事…等です。

 

むし歯を穴が開いた』『しみる』『黒くなったとだけで捉えると

あくまでむし歯になってからやむなく削って詰めるという選択肢しか残らなくなってしまいます。

 

むし歯になりやすい食生活』『むし歯になりやすい清掃習慣』『むし歯になりやすい歯並び』『むし歯になりやすい唾液量・質』などなど

このようなむし歯のなりやすい状態も『むし歯予備軍』と捉えておくと、改善させる事もむし歯治療の一部になります。多くの場合この事を『予防』と言います。よく行うフッ素塗布はあくまでその一部です。

 

例えば太りやすい体質の人がジムに初めていくとトレーナーの方に

『日常的にカロリー過多の食生活をされていませんか?』『夜遅くの食事が多くないですか?』『運動は週に何時間ですか?』等問診されると思います。その上で運動能力等から効果的なトレーニングを行っていくと思います。

太りやすい生活習慣を残したままダイエットをしても合理的でないからです。

 

むし歯も同じです。自分自身のむし歯になりやすい食習慣・生活習慣・清掃方法などの原因追及がなく、ただ『削る』『詰める』を行っても………結果はお分かりですよね。

3か月から6ヶ月に一度歯科医院を訪れるたびにむし歯が見つかる方はおそらく根本が改善できていないのでしょう。

当院ではそんなもったいない時間を使って頂きたくないので

初診時に切削治療からスタートすることはほとんどありません

時間をかけてでも原因と考えられる弱点を克服し、治療完了後にセルフケアで守る事のできる口腔内を一緒に作っていきましょう!

 

~歯を削る前にできる事を大切に~

 

 

埼大通りむらた歯科

院長 村田